2009年5月25日月曜日

端午の風習


 いきなりですが、今日なんの日?
 答えは:(今年の5月28日は)陰暦の端午節である。日本では陽暦で祝う「端午」だが、中国では陰暦の今日端午を過ごす。
 この日になれば、中国では粽を食べたり、雄黄酒を飲んだり、戸口によもぎの束を飾ったり、ドラゴンボートのレースが行われたりするのが習わしである。
 ちまきとドラゴンボートレースの起源については、下記の話が有名である。中国の戦国時代楚の国の政治家で詩人の屈原が、紀元前278年5月5日(旧暦)に汨羅江(べきらこう)で入水自殺した。屈原は国益重視を主張したため、民衆に愛国者として高く評価されている。そのため、民衆は先を争って舟で川へ遺体を探しに行った。また、魚が屈原の亡骸を食らって傷つけないように魚に米の飯を食べさせるため、端午の節句の日(端午節)にササの葉で包んだ米の飯を川に投げ入れるようになったという。

 ヨモギや雄黄酒については、中国の暦法にかかわっている。

 中国古代では、数字を陽数と陰数と分けていた。奇数が陽数で、偶数が陰数である。そのため、中国の暦法で、暦の中で奇数の重なる日【1月1日春節【別格とし、変わりに7日の人日(じんじつ)に七草粥、3月3日上巳(桃の節句)、5月5日端午、7月7日七夕、9月9日重陽】を陰邪の気が強い季節の変わり目と定められ、それを避けるための避邪〔ひじゃ〕の行事が行われ、その上、時期の薬草や植物を摘み、無病消災に用いてきた。

 端午節あたり、その年の豊作を祈願し、田植えの時期にあたる。また気温が上昇し、蚊や蝿が繁殖し、病気が流行しやすい梅雨直前の時期にあたる(そういえば、この数日すごい雨だね)。その意味で、かなり重要な節句である。中国4大伝説の一つ「白蛇伝」にも端午節の節がある。


(中国4大伝説のあらすじhttp://habc123.hp.infoseek.co.jp/4daidennsetu.html
 この中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合い、日本でも奈良時代から、これらの節句を年中行事として過すようになった。
鎌倉時代ころから、武士の地位向上に伴い、「端午の節句」の意味合いが次第に変わってきた。

「菖蒲」が「尚武」と同じ読みであり、菖蒲の葉が剣の形を連想させることから、端午は男の子の節句となり、男の子の成長を祝い健康を祈るようになった。
武士に戦は付き物。そのため、「端午」の日に飾る鎧兜には、男子の身体を守るという意味合いが込められている。

戦国時代、武運がよければ、秀吉のように百姓の子からでもドンドン出世できる。これにあやかり、鰤や鯔のように成長につれて名前が変わる魚を「出世魚」と呼ぶようになり、そこで、出世魚鯉が滝を昇ると龍になるという中国の故事から「登竜門(鲤鱼跃龙门)」の言葉とともに、鯉がめでたい魚とされてきた。そこで、士農工商の身分制度が厳しかった江戸時代になると、男子の立身出世を願い、鯉幟を立てる風習が始まった。

「柏餅」は日本のもので、柏は新芽が出るまで古い葉が落ちないということから「家系が絶えない」という縁起物として食べられるようになった。

現在日本では、端午節には邪気払いに鎧兜や陣中姿の五月人形を飾ったり、菖蒲湯に入ったり、子孫繁栄と出世を願い、鯉幟を立てたり、柏餅を食べたりしている。




  

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