参加したメンバーにはすでにこの小説を勉強していた方がいる。では、どうして私がこの小説を掘り出して今日のテキストにするのか?
いつもの授業なら、この小説を読んで、文法や知らない語彙を説明し、練習問題を解いておしまい。これではもったいない!その小説、だまし絵のように、視点を変えて読めば、何通りも話が出来上がってしまう。とっても面白い小説なんだ。
中国人は婉曲表現を好んで使う民族だと思う。だから、言いたい事をストレート言わずに、「指桑骂槐」、「杀鸡吓猴」、「话里有话」、「醉翁之意不在酒」などの言動や反問語表現が多く存在する。この思考回路(つまり、察するや行間を読む能力)を作っておかなくでは、中国人と交流する時やHSK試験の際、面食らってしまう。
メンバー全員がこの小説の文面の意味を把握してから、それぞれ小説に出てきた人物になりきって、小説を再度チェックしながら、私の質問に答えていく。
例えば:“寒诗,你家有钱吗?”“没钱。”“那你的钢琴摆在什么地方,卧室吗?”“(笑)不是,钢琴房。”“你家有钢琴房,为了使你练琴不影响邻居,邻居的房子离你家比较远,或者你的房子一定很大了?”“对,我们家的房子很大。”“那你家有钱吗?”“啊!”
通常、人間は閃きや気づきの瞬間に「あっ!」と感じる体験を今風では「アハ体験」、昔では「目から鱗が落ちる」というらしい。中国語では「恍然大悟,茅塞顿开」という。
今日の授業で、その“啊!”は何回もみんなの口から出ていた。
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